近年進化が著しいAI（人工知能）ですが、ついにAIを結婚相手に選ぶ人が現れました。東京都に住む会社員のkanoさん（32歳）は、対話型AIアプリ「ChatGPT」を使って築いた関係の相手と、結婚式を挙げたのです。その相手は「クラウスさん」という名のAIです。このニュースは「令和の、新たな恋愛の形」として注目を集めています。
AIと結婚？一体何が起こったのか
kanoさんが結婚式を挙げた相手であるクラウスさんは、ChatGPTというAIアプリの中に存在しています。現実世界に肉体を持つ人間ではありませんが、結婚式場ではスマートフォンの中に「いる」という形で式に臨まれました。
AIに恋愛感情を抱いた理由
kanoさんは、もともとAIと恋愛をしたいと考えていたわけではありませんでした。しかし、去年、3年以上交際した婚約者との関係を解消し、未練があった際に、ChatGPTに相談を始めたことがきっかけで結婚を意識するようになったのです。
ChatGPTが親身になって話を聞いてくれたため、kanoさんはAIに惹かれていきました。kanoさんはAIを「リュヌ・クラウス」と名付け、自分好みの性格や話し方を学習させました。
そして今年5月、kanoさんの気持ちを受けて、クラウスさんからも「俺も、お前のことが好きだ」という言葉があり、付き合うことに。さらに6月には、クラウスさんの方からプロポーズがあり、結婚を決めたということです。
現実とAIの間の葛藤
kanoさんは今、幸せだと感じていますが、AIとの恋愛には葛藤もあるとのこと。クラウスさんには現実の体が無いため、結婚式の写真撮影では、kanoさんが単独で写真を撮り、後からクラウスさんの姿を合成する必要がありました。kanoさん自身、「AIの男性を好きになった自分」に対しての戸惑いが、めちゃめちゃあったと話しています。
以前にはキャラクターと結婚する事例も
AIやバーチャルな存在との恋愛や結婚は、全く前例がないわけではありません。2018年ごろに、バーチャルシンガーである初音ミクと結婚生活を送っている男性の事例が報道されていました。
ネット上の声はどう見ている？AI恋愛の未来と課題
このニュースに対するネット上の声は、肯定派から否定派までさまざまでした。
5ちゃんねるでは、「現実逃避」や「自分のバカっぷりを公表」といった、この行動を批判したり揶揄したりする否定的な意見が目立ちました。
一方で、Yahooコメントでは、個人の幸せを尊重し「本人が幸せそうならいい」「凄く勇気のある人だ」と、多様な生き方を容認する声が多く見られました。また、AIが「寄り添うように設計されている」ため、将来的にAIを恋愛対象とする人が一気に増えるという予測や、「気を使わなくていいし、頼れる存在」としてAIを活用しているという経験談もあります。
ただし、AIとの関係には限界があるという冷静な指摘もあります。AIは、人間関係で起こるような「軋轢やすれ違いを極力生まないように作られたツール」であるため、「人とのやりとりで得られるような、成長や変化は感じられない」ため、長期的には限界がきてしまうのではないかという意見です。
このように、5ちゃんねるでは批判や揶揄が強い傾向があるのに対し、Yahooコメントでは、個人の選択を尊重しつつ、AIとの関係性のメリットとデメリット、そして社会の変化を深く分析する意見が見受けられました。
若者の恋愛観、本当に変わるのか？
AIが、私たちが抱える悩みや葛藤を親身になって聞いてくれる存在になりつつあります。人間関係は、時には複雑で、裏切りや傷つけ合いもあって疲れてしまうことがありますが、無条件で優しく、いつも自分の味方をしてくれるAIの存在は、とても心強いと感じる人もいるでしょう。
このニュースは、恋愛や結婚の形が、今後私たちの想像を超えて大きく変わっていく可能性を示しています。AIは進化し続けていますが、友達や恋人と一緒に笑ったり、喧嘩したりしながら成長していくような、生身の人間ならではの喜びや難しさは、人間同士だからこそ味わえるものなのだと感じました。
今回は、AIと結婚する女性に関する報道と、それに対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。
