要点まとめ
• 日本は今後50年間、毎年100万人ずつ人口が減っていくことが予測されている
• 独身研究家からは、人口減少を止めようとする従来の「少子化対策」の議論は、不老不死を求めるのと同じで無意味だと指摘されている
• これから日本で進む人口減少は、少子化よりもベビーブーム世代が亡くなる多死化によって加速する、という現実を直視し、少ない人口で維持できる国づくりが求められる
人口激減は避けられない！多死社会という現実を直視する時
政府は11月18日に、高市首相をトップとする「人口戦略本部」を新たに設置し、人口減少問題への対応を強化し始めました。この問題は日本が抱える最大の問題の一つだと認識されています。
しかし、プレジデントオンラインの記事では、従来の「どうにかして人口減少を食い止めよう」という議論は、「人間が不老不死になれるか」という問いと同じくらい無意味であると強く主張しています。なぜなら、人口減少は「人は必ず死ぬ」という否定できない現実と深く関わっているからです。
特に注意すべきは、これからの人口減少が少子化だけではなく、多死化によって加速するという点です。日本には過去2度のベビーブームがありましたが、その世代が順次高齢になり亡くなっていくことで、人口が大きく減少します。実際、2024年の年間死亡者数は160万人を突破し、日本史上最多の記録を更新しているとのことです。
ちなみに、本来1990年代後半から2000年代初頭にかけて起きるはずだった3回目のベビーブームは、バブル崩壊や就職氷河期の影響で起きませんでした。このことが、今の少子化が長期化している原因の一つです。
以前には、社会保障の崩壊が危ぶまれるといった経済的な問題や、政治の迷走に関するさまざま報道がありましたが、今回の記事は、人口減少はもはや不可避であるという前提に立って、国家の戦略を練るべきだという、極めて現実的な視点を投げかけています。
ネットの声・・・将来の「死ぬまで搾取」から逃れる方法とは？
この記事に対して、インターネット上ではさまざま意見が寄せられています。
Yahoo!コメントでは、人口減少は避けられないことを前提に、平均所得を今より200万円底上げすることや、AIなどの新技術を活用した「スマート国家」への転換こそ、国が目指すべき軌道修正だと主張する声が多く見られます。
若者の立場からは、子供を育てるのに3,000万円かかる現状や、恋愛や結婚がコスパ（費用対効果）やタイパ（時間対効果）が悪いと感じられている実情も指摘されています。
また、インフラ維持のための区間整理や自治体の再編など、少ない人口で国を効率的に維持する具体的な政策を求める声もあります。
一方で5ちゃんねるの声には、人口が減ること、特に働いていない高齢者が減ることは、社会コストが減るためむしろ健全化につながるという、やや極端な見解も見られました。しかし、内需の減少やインフラ崩壊への危機感を持つ声も多くありました。
ただ、どちらの意見も、従来の対策ではどうにもならないという現実認識は共通しています。
将来「死ぬまで搾取」される事態を避けるために、50代で早期リタイアし、質素倹約と不動産・株式投資によって資産を築き、働かずに社会に「フリーライド」しているという個人の成功例も紹介されており、自分で自分の未来を守るという考え方も示されています。
わたしたちが考えておいたほうがよいこと
この記事で語られている「今後50年間、人口が毎年100万人ずつ減る」という事態は、まさに若者が社会の中核を担う頃に起こる未来の話です。少子化対策の失敗により、人口減少が不可避になった今、「どう増やすか」ではなく、「どう生き残るか」を考えなくてはならない時代に直面しています。
若者が結婚や出産をためらう原因の一つには、経済的な不安や、子育てにかかるコストの高さがあるようです。国がすぐに所得を上げてくれるのを待つだけでなく、AIや新技術を活用して少ない人口でも豊かな生活を送れる「スマート国家」のあり方を考え、提案していくことが重要になるでしょう。
この問題は、誰かが解決してくれるのを待つのではなく、私たち自身の働き方や暮らし方のデザインにかかっている、と言えそうです。
今回は、人口減少に関する報道と、それに対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。
