今の日本国民は、外国人の労働力受け入れに慎重になっています。
読売新聞社と早稲田大学先端社会科学研究所が行った最新の世論調査で、労働力として外国人を積極的に受け入れることに対し、「反対」（どちらかといえば反対を含む）と答えた人が全体の59%に達しました。これは、昨年（11月〜12月）の調査結果46%から大きく増えているのが現状です。
この結果から、国民が外国人労働者の受け入れに対して、以前よりもかなり慎重な姿勢に変わってきていることが分かります。
世論調査が示す日本のリアル
今回の世論調査では、日本社会の抱える二つの大きなテーマ、外国人労働力と政治への意識について、国民の本音が浮き彫りになりました。
外国人労働者増加の「メリット」と「不安」
外国人が増えることによる影響として、国民が実感していることはさまざまですが、不安を感じている人が多いようです。
国民の多くが「その通りだと思う」と答えたトップ2は、「治安が悪化する」が68%、次いで「言語や文化、習慣の違いからトラブルが起きる」が63%でした。
特に治安の悪化を懸念しているのは、18歳から39歳の現役世代で79%に上り、高齢層（60歳以上で59%）よりも高い傾向が出ています。
一方で、肯定的な意見として「人手不足の解消につながる」と答えた人も61%と高順位に入っています。
こちらは、高齢層ほどその効果に期待している（60歳以上で67%）という傾向があります。
人手不足を解消したい高齢層と、治安や文化的な摩擦を懸念する若年層の間で、意識に隔たりがあることが見て取れます。
政治への「変革」を求める声
政治意識についても大きな変化がありました。
• 政治への不満・・・今の国の政治に「不満である」と答えた人が88%で、2014年の調査以降で最も多い結果である
• 安定より変革・・・ 政治に望むこととして、「変革」を重視する人が52%で、「安定」の46%を上回った。これは2018年にこの質問を始めて以来、初めて「変革」が上回った結果である。
• 自国第一主義・・・ 国際協調よりも自国の利益を優先すべきかという質問に、「賛成」が70%と、こちらも2017年の調査以降で最多となった。
若年層（18～39歳）では、アメリカのトランプ大統領が掲げた「アメリカ・ファースト（自国第一主義）」に「共感できる」と答えた人が54%と、他の年代よりも高いことも特徴的です。
昨年の調査（11月〜12月）では外国人労働者受け入れに「賛成」が多かったのですが、今回は急落しています。
この調査は、石破内閣の末期から高市内閣の発足後（9月24日〜10月31日）にかけて実施されています。11月28日付で「高市内閣、支持率堂々8割でも…」といった記事も掲載されていました。
ネットの声・・・「労働」と「生活」
この調査結果を受けて、ネット上ではさまざまな意見が交わされています。
5ちゃんねる＆ヤフコメの反応
5ちゃんねるでは、「介護や土建、運送などの現場は、外国人なしではもう経済的に回らない」という現実的な意見が多く見受けられました。反対するなら誰が肉体労働をやるのか、という問いかけもあり、外国人労働者を「必要悪」として捉える側面が強いです。ただし、移民が失業した後の犯罪増加や、欧州の例を挙げて生活保護費などのコスト増大を懸念する声もあり、安易な受け入れには否定的な意見もありました。
一方、Yahooコメントでは、外国人労働者が必要なのは特定の職種（エッセンシャルワーカーなど）に限られており、待遇を改善すれば日本人が集まるはずだという指摘が目立ちます。また、人手不足の根本的な原因は、コンビニや飲食店の「24時間営業」や過剰な店舗数にあるとし、外国人を受け入れる前に、まず国内の過剰なサービスを見直すべきだという意見が非常に多かったです。
まとめ・・・私たちの将来につながる大きな問題
今回の調査とネットの反応を見ると、日本社会は大きな転換点に立っていることがわかります。
人手不足を補うために外国人に頼るのか、それとも、自分たちの生活の利便性（24時間営業や安いサービス）を少し見直して、国内の労働環境や待遇を改善していくのか。これは、特に若い人々が将来どのような仕事を選び、どのような社会で暮らしていくかに直結する問題です。
今の「変革」志向や「自国第一主義」の傾向は、もしかしたら「自分たちの将来の生活や安全を自分たちで守りたい」という、現役世代の強い危機感の表れなのかもしれませんね。
今回は、外国人労働者の受け入れに関する報道と、それに対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。
