
終活について考え始めると、エンディングノートを書くことは思い浮かんでも、「遺言」はまだ自分には早い、と感じる方も多いのではないでしょうか。
私はそうでした。
そんなとき、偶然出会った漫画が『遺言弁護士・真崎事務所 ホタル』です。
最初は法律をテーマにした漫画だと思って読み始めましたが、読み進めるうちに、遺言とは「単なる法的効力を裏付けるものではない」という考えに大きく変わりました。
作品の中で、主人公が余命を宣告された依頼人に向かって言う言葉があります。
「死を見つめない奴は本気で生きたとは言えない」
この言葉が、私の胸に深く残りました。
普段の生活で死を意識しないことは、決して悪いことではありません。
けれど、ときには終活を通して自分の「終わり」を見つめる時間を持つことは、今をどう生きるかを考えることにもつながるのではないか。そんなことを考えさせられました。
私は「想いを残すもの」はエンディングノートだけだと思っていました。
しかし、この作品を読んで気づいたのは、遺言にも、その人の想いは込められるということです。
遺言は法的効力を持つ書類です。
けれど、その本質は財産を分けることだけではありません。
「なぜこのように分けるのか」
「家族に何を伝えたかったのか」
そんな想いが込められていることに気づいた時に、残された家族はその人の気持ちを受け取ることができるとこの漫画を通して気づくことができました。
相続でもめるかどうかは、お金だけの問題ではありません。「故人の想いが伝わっているか」も大きく関わるのだと感じました。
また、この漫画には、山本周五郎をはじめとする著名人の言葉や思想も散りばめられていて、法律漫画という枠を超え、「人は何を残して生きるのか」を考えさせられます。
終活や相続に興味がある方はもちろん、「まだ自分には関係ない」と思っている方にも、一度読んでみてほしい作品です。
読み終えたとき、遺言を見る目が少し変わっているかもしれません。
私はまだ遺言を書く段階ではありません。でも、いつか家族が私の遺言を読む日が来るなら、「何を残したか」だけではなく、「どんな思いで残したのか」が伝わるものにしたい。そんなことを考えるきっかけになった一冊でした。










