農林水産省が、長年続いてきた米の生産調整（減反政策）を、事実上の形で法律に盛り込む方針を固めました。
この政策に対して、「このままでは日本の農業は大丈夫か？」「食料安全保障は守れるのか？」と、ネット上で大きな議論が巻き起こっています。
今回の記事では、この難しい政策の背景を解説し、ネットで議論されている主要な論点をご紹介します。
【ニュース解説】「減反政策」って何？ なぜ法定化されるの？
皆さんの家庭の食卓に欠かせないお米ですが、国は長年、お米の生産量を調整してきました。これが「減反政策」（米の生産調整政策）です。お米を作りすぎると市場で価格が暴落してしまうため、農家に作付けの協力を求めるものでした。
2018年産米以降、国は農家に直接「これだけ作りなさい」という生産数量目標の配分は廃止しました。
現在は、農水省が需給の見通しを示し、農家が作付け量を決める「需要に応じた生産」が推進されています。
しかし実際には、国が主食用米から麦や大豆に転作する農家に補助金を出しているため、これは従来の減反政策が形を変えたものだ、と強く批判されてきました。
政策がコロコロ変わる歴史と今回の狙い
このコメ政策は、政権が代わるたびに方針が変わる「猫の目農政」とも呼ばれてきました。
昨年夏に需要量を見誤ったことによる生産不足、いわゆる「コメ騒動」が起きたため、当時の石破政権では生産調整を見直し、増産へと転換を図る動きがありました。
しかし、米価暴落を懸念する農林族の反発などにより、結局は現在の高市政権下で、事実上の生産調整である「需要に応じた生産」の方針に再び戻されています。
また、短期的な米価対策として「お米券の配布」が話題になっていますが、これも根本的な問題解決にはならないという意見が多くありました。
そして今回、農水省はこの「需要に応じた生産」を食糧法改正案に明記し、法律で定める方針を固めたのです。これは、政権が代わっても、コメ政策の原則を安易に変更させないための仕組み作りに狙いがあると考えられています。
ネットの激論！「食料安保」と「米価高騰」への不安
今回の事実上の減反政策の法定化について、インターネット上ではさまざま意見が寄せられています。
特に、将来の生活を考える上で知っておくべきは、「食料安全保障」と「農業の持続可能性」に関する議論です。
Yahooコメントでは、需要予測自体を農水省が長年失敗しており、これを繰り返すなら米の将来はないといった指摘や、「お米券の配布」のような短期的な対策では根本的な解決にならないという声が上がっています。さらに、生産性を伸ばす方向に税金を投じるべきで、作付け削減を直接補助する制度は持続的な農業発展につながらないという批判も見られます。
一方、5ちゃんねるでは、日本の食料自給率が極めて低いにもかかわらず生産抑制を続けることへの強い危機感が表明されています。台湾有事などで貿易が止まれば、食料輸入に頼る日本は、戦うまでもなく兵糧攻めで終わるとの分析に触れ、増産こそが進むべき道だという意見が多いです。また、自由に作らせて余剰分は輸出に回すべきだといった、より自由な市場原理を求める声も目立っています。
ただ両者の意見は、減反政策は長期的に農業の衰退や食料自給力低下を招き、日本の危機的状況を深めるという点で一致しています。
まとめ・・・未来の食卓を考える
お米の生産調整は、農家の収入を安定させるために必要な一面もありますが、同時に、生産者の高齢化や減少を招き、日本のコメ作りの基盤を崩壊させる危険性も指摘されています。
目先の米価が安定しても、長期的には米離れが進みマーケットが縮小する可能性もあるのです。
今後も国際情勢や気候変動により、食料の安定供給はより難しくなっているかもしれません。国産のお米を安心して食べ続けられるように、国がどのような農業政策を進めるのかは、私たちの将来の食卓と生活に直結する非常に大切なテーマだと言えるでしょう。
今回は、減反政策の法定化に関する報道と、それに対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。
