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【激論】「高齢者の命はお金次第?」参政党の延命治療全額自己負担化、専門家とネットの声は

最近、政治の世界で大きな話題になっているのが、参政党が掲げる「延命治療を全額自己負担にする」という政策ですこの政策は「日本人ファースト」を打ち出していますが、実はその「日本人」の中にさえ、優遇される人と、命をあきらめなければならない人に分かれる可能性があると、東京科学大学医学部臨床教授の木村知医師は警鐘を鳴らしています。一体、どんな内容なのでしょうか。そして、なぜこれほどまでに議論を呼んでいるのでしょうか。

参政党の提案】高齢者の延命治療費は自己負担に?
参政党の公約には、「多くの国民が望んでいない終末期における過度な延命治療を見直す」とあります。彼らの主張によると、70歳以上の高齢者にかかる医療費は年間で22兆円にもなり、特に85歳以上では一人あたり100万円を超えるとのこと。こうした高額な延命治療費が、国全体の医療費を押し上げていると考えているようです 具体的には、欧米ではあまり行われないとされる胃に直接栄養を送るチューブ(胃瘻)や点滴、口から食事が取れない人への栄養チューブといった延命措置は原則行わないとしています。さらに、患者さん本人の意思を尊重するため、「尊厳死(苦しむことなく自然な死を迎えること)」に関する法整備を進め、医師が迷わずに適切な判断ができるような仕組みを徹底するとも述べています。そして一番のポイントは、「終末期の延命措置にかかる医療費を、全て患者さん自身で支払う(全額自己負担化する)」という点です

【専門家からの厳しい指摘】過去にもあった“似た政策
しかし、今回の情報源である記事(プレジデントオンライン)の著者である木村医師は、この政策を見た時、「またこんな使い古しの政策を出してきたのか」という感想を抱いたそうです。なぜなら、過去にも「医療費を減らすために延命治療の自己負担化や安楽死の法制化を訴える学者や政治家は多く現れては、専門家からの批判を受けて撤回や修正を余儀なくされてきたから」と説明しています たとえば、過去には、衆院選を控えた2023年10月12日に行われた討論会で、国民民主党の玉木雄一郎代表が、高齢者の終末期医療の見直しを提案し、社会保障費を削減して若者の保険料を抑えることで経済を活性化すると発言しました。しかし、この発言は「現代の姥捨山(うばすてやま)だ」と大きな批判を浴び、最終的に発言の修正と火消しに追い込まれたのです。今回の参政党の公約は、その時の国民民主党の政策と「笑ってしまうくらい瓜二つ」だと木村医師は指摘しています

「終末期」と「延命措置」の難しさ、そして本当の費用対効果
木村医師は、この政策の「実現可能性」にも疑問を投げかけています まず、「終末期」とは何かという定義が非常に難しいのです。どんな治療をしても回復が難しく、数週間から数ヶ月以内に亡くなる可能性が高い状態、と理解されることが多いものの、明確な診断基準はありません。ベテランの医師でさえ判断に苦しむほどで、素人の政治家が簡単に線引きできるものではない、と強調しています 次に、「延命措置」もどこまでが治療で、どこからが延命なのか、明確な区別が困難だといいます。胃瘻や人工呼吸器を何年もつけることが延命治療の代表例として語られがちですが、これらはむしろ年単位で生存できる状態であり、それを「終末期」とは言わないのが現場の認識です。もしこれらを延命と呼ぶなら、ペースメーカーや高血圧の薬なども全て延命になってしまい、現代医療全体を否定することにつながる、と説明しています さらに、参政党が公約に「過度な」という言葉を加えたことで、「無駄な延命」と「普通の延命」といった、さらに線引きが難しい問題を生み出しているとも指摘しています

そして、最も重要なのが、本当に終末期医療がそこまで医療費を圧迫しているのか、という費用対効果の疑問です 「管だらけの寝たきりの人の写真を見て、なんとなく莫大な費用がかかっている」というイメージがあるかもしれませんが、データで見てみると少し違います 過去の研究データ(鈴木亘氏の2015年の研究)をわかりやすく解説した記事によると、確かに亡くなる前の3ヶ月、特に最後の1ヶ月間は医療費が大きく増えることが示されています。しかし、この費用が急増しているのは、長期間寝たきりで胃瘻をつけているような患者さんではなく、自宅で生活していて急に入院し、治療の甲斐なく亡くなってしまった「急性期患者」によるものなのだそうです 厚生労働省の古いデータ(2002年度)では、亡くなる前1ヶ月にかかった医療費は約9000億円で、これはその年度の医療費全体のわずか3%程度でした。この中には、命を救うための救命救急医療や集中治療の費用も含まれているため、これらを「過度な延命治療」として削減しようとすれば、それらまで否定することになってしまいます 高齢者全体の医療費で見ても、亡くなった方にかかった費用は年間で約1割程度。たとえ「あと1年で亡くなると思われる高齢者には一切医療を行わない」という非人道的なことをしたとしても、医療費削減への効果はごくわずかだと、木村医師は述べています

「日本人ファースト」が「お金持ちファースト」に?
この政策は、「延命治療を全額自己負担にすれば、公的な医療費は多少減るかもしれないが、ベッドや医療従事者の消費が減るわけではない」という視点が抜けている、と木村医師は指摘します つまり、この政策の裏側には、「お金がある裕福な人には自由に医療を使える選択肢を与えるが、お金が払えない貧しい人には、その選択権さえ与えず、『生きるのをあきらめろ』というメッセージを送るものだ」という問題があるのです。これは「日本人ファースト」ではなく、「日本人の裕福層ファースト」そのものだと批判しています さらに、木村医師は、このような「命の線引き」を政策に掲げ、人間に優劣をつけたがる政党が政権に加わると、最終的には「1億総序列化社会」が生まれる可能性があると警告しています。今「寝たきりの認知症高齢者は社会の役に立たないお荷物」だと笑っている若者も、将来は「あなたは納税額が少ないから公的サービスを控えてもらう」と言われるようになるかもしれない、と述べています

【ネット上の声】賛否さまざま、複雑な思い
今回の報道に対して、インターネット上ではさまざま意見が寄せられています。 「わたしも現場を見てきた医師だが、線引きは難しいが、自分で食事が取れない人は延命に該当すると感じる。国民一人一人が真剣に考えるべき」という声があります。また、「自分の親の介護経験から、尊厳死(自分の望むように死を迎えること)の制度化を希望する」という意見も見られます。病棟勤務経験のある人からは「家族が希望すれば胃瘻を行うが、年単位で続くこともあり、トータルでは医療費がかかる」という現実的なコメントもありました 「望んでもいないのに管だらけにされて無理矢理生かされるのは嫌だ」「ただ生きてるだけ、生かされてるだけが幸せなのか」といった、患者さんの尊厳を重んじる声も多く、「病院側にとっては『金のなる木』になっているだけでは」という厳しい見方も見られました。海外では不必要な延命治療を行わない国もある、という指摘もあります 一方で、「延命治療を断ると強制退院させられて自宅介護になる。それが嫌だから延命治療を選ぶ家族もいる」という、家族の負担の大きさに言及するコメントもあり、制度の難しさがうかがえます。また、「税金も限りがあるのだから、切り詰めるのは仕方ない」といった財政面からの理解を示す声もありますが、「弱者切り捨ては日本人ファーストではない」という反対意見も寄せられています

まとめと私見
今回の報道を通じて、参政党の延命治療に関する政策が、単なる医療費削減の問題にとどまらず、「命の価値」「人間の尊厳」「家族の負担」「社会のあり方」といった、非常に深く、そして誰もが向き合わなければならないテーマを含んでいることがよく分かりました。 特に、医師という専門家の立場からの「定義のあいまいさ」や「費用対効果の根拠の薄さ」の指摘は、感情論だけでは語れない、冷静な議論の必要性を教えてくれます。また、ネット上の声からは、実際に介護の現場にいる人や、身近な人が終末期を迎えた経験を持つ人たちの、切実で複雑な思いが伝わってきました。 この問題は、私たち一人ひとりが「もし自分や大切な人がそのような状況になったらどうしたいか」と真剣に考えるきっかけになるはずです。

今回は、高齢者の延命治療に関する報道と、それに関するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。

参政党の公約として「延命治療の全額自己負担化」が提案される中、高齢者医療の在り方が問われています。医師は、終末期医療のコストや高齢者の扱いについて考察し、医療の必要性と社会の分断の危険性を警告しています。
寝たきり老人には「生きる価値がない」のか…参政党の公約「延命治療の全額自己負担化」に現場医師が伝えたいこと
…参政党が躍進している。東京科学大学医学部臨床教授の木村知医師は「日本人ファーストの、“日本人”とは誰なのか。公約をみると、優遇される日本人と、優遇さ…
(出典:プレジデントオンライン)

(出典 延命治療についてどう考えますか? - YouTube)

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寝たきり老人には「生きる価値がない」のか…参政党の公約「延命治療の全額自己負担化」に現場医師が伝えたいこと
2025/07/17 6:00
https://president.jp/articles/-/98455
プレジデントオンライン(前略)

終末期医療をやめる費用対効果は…
そもそも「終末期の過度な延命治療」がどれだけ医療財政を圧迫しているのか説明できるだろうか。

管だらけの寝たきりの人の写真を見て、ただなんとなくイメージで莫大な費用が浪費されていると思い込んでいるだけではないか。

イメージでなく、エビデンスベースで説明しよう。

2015年の研究(鈴木亘「レセプトデータによる終末期医療費の削減可能性に関する統計的考察」、『学習院大学 経済論集』第52巻 第1号、2015年4月)をわかりやすく解説した記事がある。

ここでは死亡前1年間の1人当たり医療費の月別グラフが示されており、たしかに死亡前3カ月くらいから医療費が大幅に増え、最も増えるのは*1カ月前と読み取れる。

だがデータを細かく分析すると、最後の1カ月に医療費を急増させているのは「胃瘻を作られてベッドで寝たきり」という長期入院患者でなく、自宅で生活できていた人が突然入院、手を尽くした結果亡くなってしまった人、いわば急性期患者だったのだ。

少し古いデータだが厚労省保険局は2002年度の「終末期における医療費(死亡前1カ月にかかった医療費)」は約9000億円と発表しており、これは同年度の「医科医療費」に占める割合で言うと3パーセント程度だ。

しかもこの9000億円には、先述の急性期医療費が含まれている。これらを「終末期の過度な延命治療」として削減せよとなると、救命救急医療・急性期の集中治療までも全否定してしまうことになるのだ。

高齢者医療全体を見てみても、1年間にかかった高齢者医療費のうち終末期医療、つまりその1年の間に亡くなった方々にかかった費用は1割程度。あと1年で亡くなると思われる高齢者に医療をまったくおこなわないというフィクション映画のような非人道的行為をもってしても、医療費に与えるインパクトはきわめて限定的なのだ。

こうして“1億総序列化社会”が誕生する
「70歳以上の医療費は年間22兆円」「85歳以上になると一人あたり100万円超」との数字を掲げ、延命治療を自己負担にすればあたかもこれらが解消できるやに有権者に思わせるこの公約が、いかにエビデンスに基づかないものだと容易に理解できるだろう。

いや、この公約からは「過度な延命」にとどまらず、高齢者にたいする医療そのものが無駄であり、これらをすべて削減したいやにも読み取れる。彼らのいう「日本人」に高齢者は含まれていないようだ。

若者から見れば、高齢者の医療など無駄にしか見えないかもしれない。だがこの政策で今は「日本人」として認められている人も、いずれ高齢者となって「日本人」から除外され、生存権さえ失う可能性があることは認識しておくべきだろう。

いや、今の若者も例外ではない。命の線引きを公然と政策に掲げ、ファーストとそうでない人、つまり人間に優劣をつけたがる政党が政権に加わると、出自や性別はおろか、思想や生活習慣、就労状況から納税額までもが「日本人」として適格か、優れているか、生存するに値するかといった政治的介入を受け、私たちにさらなる分断をもたらすだろう。

すなわちファーストとされるはずの「日本人」すべてに優劣がつけられる“1億総序列化社会”の誕生だ。「寝たきりの認知症高齢者は社会の役に立っていないお荷物」などと嗤っている若者にも、突然「あなたは納税額が少ないので日本の役に立っていませんね、公的サービスを使うのは控えてもらいます」といった通知が国から来るかもしれない。

「そんなの今の私には関係ないよ」と思っている人が、ゆくゆく後悔しなければいいのだが。それこそ私には関係ない、か。

※全文は引用先で

★1:2025/07/17(木) 15:48
寝たきり老人には「生きる価値がない」のか…参政党の公約「延命治療の全額自己負担化」に現場医師
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1752734903/

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そこまでして無理矢理生きさせ続ける価値って何?
あるのならその価値を認める人間だけで全費用負担すればいいよ
6

そんなことより氷河期世代を救済しろよ
7

子供を産まない女や重症で長く生きられない患者には人権を与えないと言ってるしな
怖いわ
13

自分が寝たきり老人になったら早くしにたい
17

>>13
刷り込みするな
15

胃ろうの後期高齢者が自力で食事を取れるまで回復した割合を知りたい
26

>>15
胃ろうは体力のある年寄りしか出来ないんだぜ
18

ないと思うよ。
父親が最後寝たきりに近かったけど可哀想だった。
19

無駄な延命はほんと誰のためにもならん
さっさとやめろよ
頭おかしい連中の意見なんて聞く必要無い
20

税金の無駄だし老人虐待だからな
23

予算は限られてるからそういう方向に向かうのは仕方ない
ただそういう世界で子供産もうとはならんだろから
益々出生率は下がりそうではあるが
37

>>23
老人医療減らして減税する方が生みやすい
25

民主党政権のときに医者にかかったら受付のところに署名用紙が置いてあって
よかったらと署名を求められたことがある
レンポーが仕分けで暴れてたときだ
政府の医療政策に反対しますみたいな内容
喜んで署名してやったよしかし医師会よあんま調子に乗るなよ

27

何をもって延命と言うのか
寝たきりだから全て延命してるだけな訳がない
でも医者がカネの為に無駄な延命やってる場合も有り得る
本人や身内の意向が反映される選択の幅がもっと有った方が
いいのは事実
28

平均寿命をガンガン下げれば日本は復活する
少子化は問題ではない高齢化が問題なのだ
30

参政党さん今回はやりすぎだわ
あーまた支持する政党無くなったわ
31

そうは言ってもギリシャ以下なんだから
切り詰められるところは切っていかないと
33

本人も別に生きたいと思ってないんじゃ
34

自分だったら寝たきりだったりボケたりで家族に迷惑かける前に安楽死したい
そういう選択肢を奪うなよ
35

病院も金取れる寝たきりなら入れてくれるけど、そうじゃないなら2週間で追い出すし。
医師会が書かせてんのかな?
47

>>35
いまは衰弱してても点滴入院さえ拒否するから。
38

前スレであったけど
延命治療を断ったら
強制退院からの自宅介護が有るんだよ
それが嫌だから延命治療を選ぶ家族が
居るわけな
その場合も過酷な介護と自己負担が
待ってるわけだけど、そっちに補助金
付けないとこの話は終わらないんだよ
56

>>38
延命治療しなかったら家で介護ってのがよくわからん。
何もしなけりゃ*状態じゃなの?
40

難しい問題だな
医療費だけでなく家族やその他の実際の介護負担も絡むからな
42

生きるのは自由だけどそれにかかる医療費を考えたらな
直接でないにしても必ず他の何処かの負担になって後に続く人たちを苦しめる事になる
43

免許証の裏が臓器提供カードになってんじゃん。
あれに延命治療の希望も入れとけよ。
人工呼吸器付けたら取れないとか、そんなの家族が判断するのは重すぎるだろ。
それで何十年も付けっぱになって莫大な医療費かかるとか。
45

立民が消費税25パーセントの大きな政府を目指すらしいが
そうまでして老人だらけの国にすべきと思わないな
46

金があれば延命できるやん
選択肢の問題では
48

そもそも金のなる木だからな
だから高血圧とか基準値がだんだん下ってる
要するに医療業界にとっては旨味のある患者を作りたいだけ
49

キレイゴト言って済めばよかったんだけどね
生憎この国はギリシャより悪い財政の国で当然医療保険の財政も厳しいんだ
それにこれから団塊の世代が後期高齢者を迎える時期になって一段と負担が増えていくんだ
批判するとすれば現実をしっかり見つめて警鐘を鳴らしてくれた参政党ではなく
みんなが安心して終末期医療を受けられるような制度にあらためることもしなかった今までの政権を恨むんだな
50

弱者切り捨てを日本人ファーストと呼べるのか?
51

ちょっと前にベストセラーになった近藤誠の医者に殺さ
れない本は読んでおくといいよ
無駄な延命とはなんなのか
自分はどうしようかなと考えるいい材料になる
53

医者が命の線引きを出来ないならボランティアで余命判定士を募ればいい
55

寝たきりに限らずだが
59

みんな延命の話ばかりしてるけど、痛みや苦しみの軽減っていう側面もあるから家族も割ときつそう
60

生きる価値、人間の尊厳を奪っている
治療じゃないし
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