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子どもの視力低下が深刻化する今、知っておきたい「近視進行を抑える」最新治療と家計への影響
近年、子どもたちの視力が急速に低下しており、小学生の約3人に1人が裸眼視力1.0未満という深刻な状況にあります。背景にはスマートフォンの長時間使用や外遊びの減少がありますが、最近、近視の進行を抑えるための新しい目薬やコンタクトレンズが国内で初めて承認されました。これまでの「悪くなったらメガネ」という考え方から、一歩踏み込んだ「進行を食い止める」治療が始まっていますが、保険適用外のため月々の費用負担が大きいという課題も浮き彫りになっています
スマホ長時間使用で子どもの近視が深刻に 早めの対策重要 最新の治療法を取材
スマートフォンの長時間使用や外遊びが減ったことなどで、子どもの近視が深刻化しています。その進行を抑える最新の治療を取材しました。
(出典:テレビ朝日系(ANN))

1. 【ニュース概要】増え続ける子どもの近視と登場した「防ぐ」治療

文部科学省の調査などによると、この10年間で視力が1.0を下回る子どもは増加の一途を辿っているとのこと。小学生では31.0%から36.1%に、中学生では54.1%から59.4%へと上昇しており、もはやクラスの半数以上が視力に問題を抱えているといっても過言ではありません。

こうした事態を受け、この1年で治療環境が大きく変化したというのです。先月、日本で初めて国の承認を受けた「近視の進行を抑えるコンタクトレンズ」が発売されたほか、昨年からは進行抑制のための「目薬」も承認され、実際に使われ始めています。これらは単に視力を矯正するだけでなく、成長期に特有の「目の伸び」を抑えることを目的とした画期的なものです。

しかし、これらは近視そのものを完治させる魔法の薬ではなく、あくまで「進行を遅らせる」ための選択肢であることを理解しておく必要があります。

2.原因は 目の「物理的な伸び」


(出典 www.nishinippon.co.jp)
なぜ、今これほどまでに近視が進んでいるのでしょうか。専門家によれば、子どもの近視の多くは、成長期に目玉(眼軸)が物理的に奥へと伸びていってしまうことで起こるそうです。本来なら網膜でぴったり合うはずのピントが、目の奥行きが伸びることで焦点が手前にずれてしまい、遠くがぼやけて見えるようになるのです。

この「目の伸び」を加速させているのが、現代特有の生活習慣です。スマートフォンやタブレットを至近距離で長時間見続けること、そして太陽の光を浴びる外遊びが減ったことが、子どもの目の成長に悪影響を及ぼしていると考えられています。特に成長期の子どもは体の成長とともに近視も進みやすいため、早めの対策が将来の目の健康を左右すると警鐘が鳴らされています。

3. デジタル化が進む教育現場と、失われた「子どもの居場所」

GIGAスクール構想のサムネイル
GIGAスクール構想(ギガスクールこうそう)とは、2019年(令和元年)に開始された、全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組み。 「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All(全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉)」を意味する。…
18キロバイト (2,312 語) - 2026年3月13日 (金) 02:50
この問題の背景には、個人の努力だけでは解決できない社会状況の変化があります。現在、教育現場では「GIGAスクール構想」により、小学校1年生から一人一台のタブレットやPCが配付されています。学校でも家でもデジタル端末に触れる時間が飛躍的に増えており、子どもたちの目は常に酷使されている状態です。

また、共働き家庭の増加による「放課後の過ごし方」も影響しています。学童保育が終わった後の高学年の子どもたちが、親の不在時に自宅で一人お留守番をする際、テレビやYouTube、ゲームが主な娯楽になってしまうという現実があります。公園が遠かったり、防犯上の理由から一人で外遊びをさせにくかったりといった「居場所の少なさ」が、結果としてデジタル端末への依存を強め、近視を加速させる一因となっているのです。

4. 家計を圧迫する「保険適用外」の治療費


(出典 lumedia.jp)
私たち50代前後の世代にとって、孫や子どもの目の健康は非常に気がかりな問題です。しかし、今回注目されている最新治療を検討する際、大きな壁となるのが「お金」の問題です。現在、これらの進行抑制治療(目薬や特殊なコンタクトレンズ)は公的医療保険が適用されません。クリニックによって異なりますが、目安として目薬なら月に約5,000円、コンタクトレンズなら両目で月に約13,000円もの費用がかかります。これは診察代とは別にかかる固定費です。

「子どものためなら」と無理をしてでも出してあげたいのが親心や祖父母心ですが、義務教育期間中ずっと続けるとなれば、家計への負担は決して小さくありません。また、これらは視力を元に戻すものではないため、別途メガネの作成費用なども必要になります。生活者としては、こうした予防的な治療にも、少しでも公的な助成や保険が適用されることを願わずにはいられません。

5. 【今後どうなる?】早期発見と「デジタルとの付き合い方」の再考

今後の見通しとして、近視対策は「悪くなってから」ではなく「3歳児健診」などの早い段階からのチェックがより重要視されるようになるでしょう。視力は6歳頃までに大人と同じ程度まで発達するため、この時期に異常を見逃さないことが、将来の弱視や強度近視のリスクを減らす鍵となります。

また、単に最新治療に頼るだけでなく、社会全体で子どもたちの生活環境を見直す動きも必要かもしれません。一部の国では、一定の年齢までスマホを禁止するような踏み込んだ対策も報じられていますが、日本でも学校や家庭でのタブレット使用時間にルールを設けるなどの議論が深まっていくと考えられます。

最終的には、子供自身が自らの視力を守る意識を持つことが最も効果的です。そのためには、親や教育者が一丸となって、デジタルデバイスとの健全な付き合い方を教え、視力を守るための知識を伝えていくことが求められます。未来を担う子供たちのために、私たちは今、行動を起こす時なのではないでしょうか。

6.まとめ

・子どもの近視は激増中
小学生の3人に1人が視力1.0未満という現状・最新治療の登場
進行を抑える目薬やコンタクトが承認されたが、完治させるものではない

・費用は全額自己負担
月に数千円から1万円以上の費用がかかり、家計への影響は大きい

・社会的な背景
学校のタブレット導入や外遊びの減少が影響しており、個人の対策には限界もある

目の健康は、一度失うと取り戻すのが難しい大切な財産です。最新の治療という「選択肢」ができたことは喜ばしいですが、まずは「近くを見すぎない」「外で遊ぶ」といった基本的な生活習慣を、家庭や地域でどう守っていくかを話し合ってみるのが大切なのかもしれませんね。

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