いま、私たちの生活に直結するガソリン税の「暫定税率」が大きな話題になっています。ガソリン税とは、1974年に「2年間だけ」という約束で導入されて以来、なんと51年間も続いてきた特別な税率なのですが、この暫定税率の廃止に向けて与野党6党が合意したはずなのに、政府・与党は「代わりに別の財源が必要だ」という立場を崩していないのです。
自民党の宮沢洋一税制調査会長は、税収が減る分を補うため「税財源が必要」だと強く主張しており、「与党だけで具体的な税は決められないので知恵を出し合わなければならない」と述べています。
新たな税金「走行距離課税」とは？
そこで浮上しているのが、自動車の利用者から徴収する「新税」の創設、特に「走行距離課税」という案です。これは、車が走った距離に応じて税金がかかるという仕組みです。なぜこんな税金が検討されているのでしょうか？
主な理由は、道路や橋、トンネルなどのインフラ整備や公共交通の維持に使う恒久的な財源を確保するためです。最近では、埼玉県八潮市での道路陥没事故のように、インフラの老朽化が大きな問題になっています。そしてその整備にはお金がかかることは間違いありません。政府は、この新税で集めたお金を、インフラの維持・補修を担う地方自治体に手厚く分配することを考えているようです。
日本はドライバーに重すぎる税負担を強いている？
実は、日本のドライバーは世界的に見ても非常に重い税負担を強いられています。例えば、車両価格308万円の普通車を13年間使う場合、自動車関連税の総額は日本が65.6万円なのに対し、アメリカはわずか2.8万円。なんと日本の負担はアメリカの23.4倍にもなるという試算があるのです。ガソリンにはガソリン税に加えて消費税もかかっており、二重課税であるとの指摘も出ています。
今回の新税検討の動きは、ガソリン税の暫定税率をなくしても、別の形で税金を取ることで、国民の負担は結局「差し引きゼロ」になるのではないか、と懸念されています。自民党の宮沢氏の姿勢は、財務省の考え方に近いと指摘する声も聞かれます。
SNSでの大炎上と国民の声
こうした動きに対し、インターネット上では大炎上。「無駄な経費には手を付けず国民から税金として取り上げるかしか考え無いのか？」「結局、名前が変わるだけで国民の負担は何も変わらない」といった厳しい意見が上がっています。
そして、特に知ってほしいのは、地方に住む人たちや物流事業者に与える影響の大きさです。あるコメントでは、福島県のような地域では、漁業や農業、酪農で働く人々が毎日車を使っています。走行距離課税が導入されれば、ガソリン税に加えてこの新税も払うことになり、全ての食材の原価が高騰すると懸念されています。
また、公共交通機関が不便な地方では、車は生活に不可欠であり、スーパーに行くにも車がないと困るという切実な声も届いています。
都会と違って公共交通機関が発達していない地方では、車は生活に欠かせない移動手段です。食を支える産業で働く人々にとっても、走行距離課税は直接的に生産コストを押し上げ、最終的には私たちが口にする食材の価格にも影響を与える可能性が出てくるでしょう。一時的に減税しても、別の形で負担が増えてしまうのは、国民にとって納得しがたいことだと感じています。
今回は、ガソリン税の暫定税率廃止と、それに伴う新税検討に関する報道、それ等の課題に対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。
