愛知県を拠点とするプロオーケストラ、名古屋フィルハーモニー交響楽団(名フィル)が公式Xで発信した異例の「苦言」が、ネット上で大きな話題となっています。その内容は、「終演後の早すぎる『ブラヴォー』は、私たちにとってうれしいものではございません。完璧な静寂の方が、はるかにうれしいです」というものでした。この投稿は、指揮者、楽員、事務局員すべてが「失望」を感じたために、あえて行われたものです。
「フライングブラボー」とは?
今回の論争のテーマである「フライング 」とは、クラシックコンサートにおいて、曲が完全に終わる前や、演奏終了後の静寂が続いている余韻の最中に、観客が「 」と叫んだり、拍手を始めてしまう行為を指します。
クラシック音楽では、音が完全に途絶えた
後も、その「残響」や「静寂」自体が作品の一部として非常に大切にされています。観客の多くは、この余韻を楽しみに聴き入っているのです。
しかし、早すぎる「それまでの名演奏によって作り上げられた雰囲気が壊され、他の多くの観客が余韻を楽しむのを妨げてしまいます。演奏者側も気分を削がれてしまうため、マナー違反とされているのですね。
」や拍手が入ってしまうと、2018年頃にも、演奏直後に「。演奏会によっては、プログラムに演奏直後の拍手や を自粛してほしい旨が記載されているところもあります。
」を叫ぶ観客が「 おじさん」と呼ばれ、マナー違反だと批判の目が向けられていたことが報道されていましたでは、いつ拍手をするのが正解なのでしょうか。
一般的に、拍手の適切なタイミングは、『奏者が頭を下げたら』、あるいは『指揮者がタクト(指揮棒)を下ろし、客席側を向くなど、曲の総てが終わったと判断できる行動をとった時』とされています。
ネット上の「本音」をチェック!
今回の名フィルの苦言に対しては、SNS上でさまざま意見が寄せられました。ネット民のリアルな声を見てみましょう。
Yahooコメントと5ちゃんねるの声
Yahooコメントでは、名フィルの毅然とした対応を支持する声が多く、フライングこの演奏の良さがわかる優秀なワタシをアピールしたい自己顕示欲 は「」が動機になっているという厳しい指摘が目立ちました。余韻も感じずに する人は「音楽や舞台芸術が分かっていない」といった意見が多数派です。
一方、5ちゃんねるでは、フライング俺は玄人だぁあああ!! は目立ちたがり屋の「」アピールという点ではYahooコメントと共通していますが、中には「そんな寝言を抜かすからクラシックは取っ付きにくいと言われる」といった、マナーを強調する楽団側の発信自体がクラシックの敷居を上げていると批判する声も一部にありました 。
このように、Yahooコメントが概ね「マナー違反者への批判」と「楽団支持」で一貫しているのに対し、5ちゃんねるの一部では、マナーを厳しく問いすぎる楽団側の姿勢が、新規のファンを遠ざける原因になるのではないか、という意見が出ている点に、意見の違いが見られました 。
まとめ
音楽鑑賞に限らず、劇場でのマナーは「悪気がない(知らない)人がやってしまう」という側面もあるため、事前の注意喚起が重要だと考える声もあります。しかし、コンサートという空間は、演奏者と観客がお互いを尊重し合って作り上げる、唯一無二のものです。
演奏者たちが一音一音に込めた想いを、最後の残響まで含めて受け止めようとする「配慮」や「余裕」を持つことは、とても大切なことではないでしょうか。興奮や感動を伝えるのは素晴らしいことですが、それを表現するタイミングが、他の誰かの感動を台無しにしていないか、少し立ち止まって考えてみたいものです。
今回は、クラシックコンサートの「フライングブラヴォー」に関する報道と、それに対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。