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なぜ43万円のラーメン学校に外国人が殺到?香川発の技術が世界に与える影響とは
今、香川県にある「ラーメン学校」が世界中の起業家たちから熱い視線を浴びているようです。受講料は5日間で43万円という高額ながら、参加者は全員外国人という日もあるほどの人気ぶりです。単に「おいしい作り方」を学ぶだけでなく、科学的な理論に基づいた「ビジネスとしての成功」を求めて、多くの外国人が日本を訪れているとのことです。

1. 香川県のラーメン学校に外国人が殺到

「受講生は全員外国人」日本のラーメン学校にインバウンド熱 43万円でも殺到する理由
…“ビジネスとしての強さ”だった。(取材・文=水沼一夫)  香川県にある大和麺学校は、いま世界各国から希望を抱いた受講生が集まる場所の一つだ。  取材に…
(出典:ENCOUNT)
香川県にある「大和麺学校」では、いま海外からの受講生が急増しています。驚くべきはその受講料で、わずか5日間の滞在で1人43万円。それでも、オーストラリアの税理士やイタリアの元ソフトウェアエンジニアなど、異業種からラーメンビジネスへの参入を目指す人々が海を越えてやってくるのです。

かつては日本人の受講生が大半でしたが、現在は外国人が半分以上を占めるようになり、時には「受講生全員が外国人」という状況も珍しくないとのこと。彼らは5日間、毎日学校に通い詰めてスープの取り方や麺の打ち方、さらには店舗運営や設備投資といった経営のノウハウまでを徹底的に学びます。卒業後にはその場で数百万円する製麺機の購入を検討するなど、学びがそのまま母国での大きな投資へと直結しているのが、このブームの大きな特徴です。

2.求められているのは「職人の勘」より「科学的な再現性」


(出典 live.staticflickr.com)
なぜ彼らは、本場とも言える中国ではなく、日本の学校を修行の場に選ぶのでしょうか。
そこには、日本式ラーメンが持つ「科学的な強み」があるといいます。イタリアから来た受講生は、日本の学校を「すべてが理論的に説明されており、納得できる」と評価していました。中国の伝統的な「拉麺(ラーメン)」は、職人が手作業でおこなう技術が必要で、習得に時間がかかるだけでなく、同じ品質を維持し続けるのが困難です。対して日本式のラーメンは、製麺機やスープの調合比率など、システム化・標準化が進んでいます。この「誰が作っても同じ高い品質を再現できる」という点が、多店舗展開を視野に入れる外国人起業家にとって非常に魅力的なビジネスモデルに映っているのです。

科学的に理解し、機械を活用することで、品質を落とさずに事業をスケールアップ(規模拡大)できる。これが、合理性を重んじる海外のビジネスマンたちを惹きつけているようです。

3.世界で高まる「本物の日本食」への要求

背景には、世界的な日本食ブームの「質の変化」があります。かつては海外でラーメン店を出せば、ある程度の味でも客が入る時代がありました。しかし現在は、インバウンド(訪日外国人)の増加により、実際に日本で「本物の味」を知った消費者が世界中に増えています。

海外の消費者も「日本で食べたあの味と違う」と気づくほど賢くなっており、中途半端な知識では生き残れない厳しい競争社会になっています。そのため、母国で成功を収めるためには、日本で正式な修行を積み、「本物の技術」を習得したという「ハク」をつけることが重要視されているのです。

また、円安の影響もあり、外国人にとって43万円という受講料は、将来の成功に向けた「合理的な投資」として受け入れやすい価格設定になっているという側面もあります。

4. 私たちの当たり前が「世界の高級ブランド」に

このニュースを、私たちの生活者の目線で捉えると、いくつかの興味深い変化が見えてきます。まず、私たちが普段1,000円前後で食べているラーメンが、海外では一杯2,000円から3,000円もする「高級料理」として定着しつつあるという点です。50代の私たち世代にとっては、ラーメンといえば気軽な庶民の味ですが、世界的には「高度な技術と設備に裏打ちされた日本ブランド」として価値が高まっています。

また、こうした学校の卒業生が世界中で店を開くことで、私たちの子供や孫が海外旅行や留学、あるいは出張で行った先で、「どこでもおいしい日本食が食べられる」という安心感につながるかもしれません。

一方で、家庭の主婦として気になるのは「日本の技術の流出」かもしれませんが、むしろこれは、日本の製麺機などの「ものづくり」の輸出を後押しするポジティブな動きと言えるのではないでしょうか。日本の素晴らしい食文化が、単なる「味」だけでなく、「産業」として世界をリードしていることは、一人の日本人として少し誇らしい気持ちにもなりますね!

5. 【今後どうなる?】体験型インバウンドと日本の役割

今後は、単に「観光地を巡る」だけでなく、今回のような「技術や知識を学んで帰る」という体験型のインバウンドがますます増えていくのではないでしょうか。

ラーメンに限らず、カレーや天ぷら、おにぎりといった他の日本食でも、同様の「短期集中・科学的・ビジネス直結型」のスクールが展開される可能性があります。また、こうした卒業生たちが世界各地でチェーン展開を広げることで、日本はその「技術提供の総本山」としての地位を確立していくかもしれませんね。

まとめ

遠く香川県のラーメン学校に外国人が殺到している背景には、単なるブームを超えた「日本式ビジネスモデル」への強い信頼がありました。

・「職人の勘」を「理論と機械」に置き換えた再現性の高さ
・世界中で高まる「本物の日本食」へのニーズ
・43万円の授業料は、世界で戦うための「合理的な武器」への投資

私たちが日常的に親しんでいるラーメンが、世界の起業家たちの人生を変える「夢の種」になっている。そう思うと、次の一杯をいただく時には、いつもと少し違った景色が見えてくるかもしれません。

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