ピックアップ記事
「メールが送れない!?」今の若者が直面する意外な壁と、私たちができること

この記事の要点

  • 現代の大学生や新社会人は、日常的にSNS(LINEやInstagramなど)を使っているため、「ビジネスメールの送り方」や「パソコンの基本操作」を学ぶ機会がありません。

  • これは能力の不足ではなく、時代の変化によるものです。

  • 私たち50代は、彼らにとってメールが「未知の言語」であることを理解し、家庭や職場で優しくサポートしていく姿勢が求められています。

1.【ニュース概要】Z世代とビジネスメールの意外な距離感

最近、大学の先生たちの間で、ある驚きの出来事が話題になっているといいます。レポートを提出しようとした学生から「メールにファイルを添付する方法がわからない」と真剣に質問されるケースが増えているというのです。

Z世代大学生の「意外な一言」で教授が動揺… “メールを使えぬ若者”の実態 企業も研修の機会を設ける必要があるだろう

かつて「若者のメールが問題」といえば、敬語の使い方などのマナーが中心でした。しかし現在は、「送り方がわからない」「機能そのものが使えない」という段階にまで進んでいます。

ある調査によると、社会人は1日の仕事時間の約3割をメール対応に費やしているそうです。それにもかかわらず、企業の約85%がビジネスメールの研修を行っていません。そのため、優秀な大学を卒業した新入社員であっても、電話の出方やメールの書き方、さらにはマウスの使い方まで、職場で一から教える必要が出てきているのが現状です。

2. なぜ起きた?SNSネイティブが直面する「メールの壁」

なぜ、今の若い人たちはメールが苦手なのでしょうか。その最大の理由は、彼らがスマートフォンやSNSとともに育った「SNSネイティブ」だからです。

現在の大学生にとって、家族や友人との連絡はLINEが約98%、Instagramのダイレクトメッセージ(DM)が約55%を占めています。私たちがかつて使っていた携帯電話のメール(キャリアメール)を使う若者は、わずか11%にまで減っています。

LINEなどのSNSは、件名も宛名も必要ありません。「お疲れ様です」といった挨拶や結びの言葉も省き、いきなり用件を送るのが当たり前です。写真やファイルの共有も、スマホ同士を近づけるだけで一瞬で終わります。

そのため、ビジネスで必須となる「件名、宛名、挨拶、本文、結び、署名」という一連の決まった形を学ぶ機会が、彼らの日常生活にはどこにも存在しないのです。

3. 変わる教育現場と企業の余裕

私たちの世代は、インターネットが普及していく中で、手紙の書き方を応用しながら自力でメールの作法を覚えてきました。しかし、今の学校教育は少し異なります。

タブレットやパソコンを使った授業は増えていますが、多くは学校専用の学習ツール内でのやり取りです。そのため、一歩外に出た社会で使う「一般的なメール」を体系的に教わる機会は、実はほとんどありません。

また、社会の側にも変化があります。昔の会社には、先輩が後輩をゆっくり育てる「心の余裕」や時間のゆとりがありました。しかし今は、どの職場も人手不足や効率化で忙しく、最初から「すぐに仕事ができる人」を期待しがちです。その結果、基本を知らない若者を見て、教える側が一方的にがっかりしてしまうというすれ違いが起きています。

4. 50代の私たちが直面する「コミュニケーションの断絶」

このニュースは、50代の私たちにとっても身近な問題です。職場では部下や新人の教育に、家庭ではこれから就職活動や社会人生活を迎える子どもとの関係に深く関わってきます。

例えば、職場で「最近の若い子はメールも打てないの?」と決めつけてしまうと、お互いの信頼関係が壊れてしまいます。メールは仕事でとても大切な道具ですが、彼らにとっては「習ったことのない未知のルール」なのだと、まずは私たちが知っておくことが大切です。

家庭でも同じです。我が子に対して「お母さんの時代はこうだった」と古い常識を押し付けるのではなく、彼らが使う便利なSNSの良さを認めつつ、「社会に出るときは、また別のルール(言語)が必要になるんだよ」と、大人の先輩として優しくアドバイスしてあげるのが良いですね。

5. AIの活用と「教え合い」の時代へ

これからは、文章を自動で作ってくれる「生成AI」を仕事で使う場面がもっと増えるでしょう。

すでに一部の学生は、AIを使ってメールの返信案を作っています。しかし、AIを使うにしても、最終的に「この表現は相手に失礼ではないか」を判断する知識がなければ、思わぬ失敗をしてしまいます。

今後は企業側も「知っていて当たり前」という思い込みを捨て、新入社員研修でメールや電話の基本をしっかり教えることが当たり前になっていくはずです。

それと同時に、私たちベテラン世代も、彼らの優れたITスキル(SNSを使った情報収集の早さなど)から学ぶべきところがたくさんあります。お互いに教え合える関係が理想的です。

6. 【まとめ】歩み寄ることから始まる、新しい信頼関係

今回のニュースから見えてきたのは、単なる「今の若者の能力不足」ではなく、「時代の変化による連絡ツールの激変」です。

  • 今の若者は、サボっているのではなく「学ぶ機会」がなかっただけ

  • ビジネスメールは、彼らにとって「新しい外国語」を習うようなもの

  • 私たち大人も、自分の常識をアップデートしていく必要がある

今日から、お子さんや職場の若い人が不器用なメッセージを送ってきても、怒らずに「実はね、ビジネスのメールにはこういう型があるんだよ」と、コツを一つ教えてあげてみませんか?

もし、お子さんの就職活動や新社会人としてのスタートが心配な方は、親子で一緒に学べる「大人のビジネスマナー本」を一冊、リビングに置いてみるのもおすすめです。お互いの違いを認め合い、歩み寄る。そんな落ち着いた大人の対応こそが、今の時代に求められている本当のマナーなのかもしれません。

ピックアップ記事

Xでフォローしよう

おすすめの記事