映画評論家の町山智浩氏が、小野田紀美内閣府特命担当相の出身大学の偏差値を持ち出し、その資質に疑問を呈したことで、現在ネット上で大きな議論を巻き起こしています。
この発言に対し、「学歴差別だ」「下品だ」といった町山氏への批判が殺到する事態となりました。
政治家の能力は、学歴や偏差値で決まるのでしょうか。ネット上の声をまとめました。
1.何が問題?小野田大臣と町山氏の発言のポイント
この問題の発端は、2025年10月27日、日本学術会議の総会での出来事です。
学術会議をめぐる動き
小野田大臣は、学術会議を国から切り離し、特殊法人化する(6月11日に新法が成立)という政府の方針について、これが学術会議の独立性や自立性を高め、機能を強化するためのものだと強調しました。さらに、政府として日本の科学技術を社会に役立てていけるよう、学術会議の取り組みをさまざまな形で支援すると抱負を述べました。
映画評論家・町山氏の「学歴煽り」
これに対し、映画評論家の町山智浩氏がX(旧Twitter)に記事を貼り付け、「偏差値35で学術会議担当?」と投稿し、小野田大臣の学歴を理由に担当の資質に疑義を提起しました。
小野田大臣は、拓殖大学政経学部政治学科を卒業されていますが、町山氏が参考にした学校情報ポータルサイトの情報では、拓殖大学政経学部の2026年度の偏差値は35.0と表記されていたようです。
町山氏は、以前から高市政権(内閣)全体に対して批判的な立場を取っており、小野田大臣も内閣メンバーとして批判したものだと考えられます。
批判の集中
しかし、町山氏のこの発言に対しては、ネット上で「あからさまな学歴差別だ」「何様だ」といった非難の声が集中し、炎上する事態となりました。
千葉商科大学の常見陽平准教授は、この町山氏の発言を強く批判しています。常見氏は「政治に、民主主義に、学歴フィルターはいらない」と主張し、町山氏の考え方は政治を受験競争や就職活動の延長線上で捉える危険な発想だと指摘しました。政治家にとって本当に問われるべきなのは、偏差値ではなく、「何を成し遂げたか」であるという見解も示されています。
また、高市首相が誕生して以来、リベラルな知識人からの批判が増える傾向にありますが、近年は「何でも無理やり批判するリベラルの姿勢」への反発も強まっていると、政治ジャーナリストは指摘しています。
2.ネットの反応はどうなっている?(5ch vs Yahoo!)
今回の炎上騒動に対して、ネット上では学歴と政治家の資質についてさまざまな意見が飛び交いました。
ネット上では、政治家の能力を偏差値だけで判断することへの強い反発が支配的です。 Yahoo!コメントでは、「高学歴でも判断ミスや失言をする政治家はいる。大臣として重要なのは、国民のため、国家のためにきちんと仕事ができるかという資質だ」という意見が多数派でした。また、小野田大臣が受験した当時の拓殖大学の偏差値は、少子化が進んだ現在の数値とは異なり、もっと高かったはずだという指摘もありました。
一方で、5ちゃんねるの声でも、「偏差値は当選すれば関係ない。政治家に求められる資質は事務処理能力の指標である偏差値とは別のものだ」という意見が多くありました。また、学歴が職務内容と結びつかないことへの疑問を率直に述べる声も出ています。
Yahoo!コメントが「学歴差別は論外、仕事の成果で評価すべき」という統一的な批判の論調であったのに対し、5ちゃんねるの一部には、「資質は大事だが、今回の職務内容とのギャップは気になる」という、やや異なる視点からの意見も混ざっている点が特徴的です。
とはいえ、どちらのプラットフォームでも、町山氏の批判は「浅はかである」と見なされ、政治家を偏差値で測るべきではないという意見が圧倒的でした。
3.まとめ・・・「学歴」で人を判断しない生き方を
今回の炎上は、政治や民主主義の場で「学歴フィルター」をかけるべきではないという、非常に重要なメッセージを私たちに投げかけています。
今まさに受験勉強を通じて偏差値という一つの物差しと向き合っている最中の現役の高校生も、社会に出たときに学歴で判断されてしまうと考えたら、どのようにとらえたらよいか複雑な気持ちになります。どの学校に入ったかという「学校歴」よりも、自分がそこで何を学び、何を成し遂げたかという「学習歴」、そして、地頭の良さや人間力が大切であるとネット上でも多くの人が指摘していますし、私自身も共感しました。
もし、学歴だけで人の能力や将来性が決まるなら、世の中は非常に単純になってしまいます。多様な視点を持った人たちが集まって議論を重ねてこそ、社会は前に進むことができるのです。この騒動は、私たちがつい見落としがちな「肩書きやラベルではなく、その人自身の実力と向き合うことの大切さ」を改めて考えさせてくれる事例になりました。
今回は、小野田大臣への学歴煽りに関する報道と、それに対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。


















