今、日中関係が大きく揺れ動いています。そのきっかけは、高市総理による国会での「台湾有事」に関する答弁です。この発言に対し、中国政府は猛反発し、日本への旅行や文化交流にまで影響が拡大しています。
本記事では、この問題の経緯と、すでに発生している具体的な影響、そしてネット上でのさまさまな意見をわかりやすくまとめます。
なぜ問題が起こっているのか?:高市発言と中国の「絶対に譲れない一線」
今回の問題の発端は、11月7日に高市総理が国会で行った答弁にあります。
高市総理は、野党からの質問に対し、もし台湾有事が起こり戦艦を使った武力行使を伴うものであれば、それは日本の「存立危機事態」になりうると言及しました。
存立危機事態とは、日本と密接な関係にある他国が攻撃された際、日本の存立も脅かされ、国民の生命などに明白な危険がある事態のことです。この事態が起こると、日本は集団的自衛権を行使できるようになります。
中国が激しく反応する理由
中国にとって、台湾問題は「核心的利益」と呼ばれ、絶対に譲れない一線です。彼らは台湾を自国の領土の一部と考えており、武力であれ平和的であれ、日本やアメリカがこの問題に介入してくることを強く嫌がっています。
高市総理の答弁は、日本が集団的自衛権の行使を具体的に検討している姿勢を示した形になりました。このため、中国側は「ここまでは許容される」という線引きを与えてしまうと捉え、強く牽制する必要があったと考えられます。
実際、中国の薛剣駐大阪総領事はSNSで、高市総理の発言を非難する非常に強い言葉を投稿しています。
中国側の「曖昧な対抗措置」がもたらした具体的な影響
中国側は、高市総理の発言撤回を求めるため、経済的・文化的な対抗措置に乗り出しました。
1.観光・留学への影響
11月14日以降、中国外務省は国民に日本への渡航自粛を呼びかけました。さらに、日本の治安が不安定だと主張、日本への旅行を控えるよう注意喚起したり、日本への留学を慎重に検討するよう求めたりしています。
これにより、中国から日本行きの航空便では、過去数日で約49万1千件ものキャンセルが発生したと報じられています。これは予約数全体の約32%に相当する数字です。また、都内の予備校では、日本留学を申し込んでいた中国人学生からキャンセルが相次いでいるという状況です。
2.文化・エンタメへの影響
エンタメ分野でも影響が出ています。中国国内で公開予定だった日本のアニメ映画が延期となりました。
• 「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」(12月6日公開予定)
• 「はたらく細胞」(11月22日公開予定)
また、上海で行われる予定だった吉本新喜劇の公演も中止となりました。
しかし、中国政府の対抗措置は、政府は「自粛を言った」という建前は作れるものの、旅行や留学は個人の判断に委ねられるため、完全に日中関係を悪化させたいわけではないという意図があるのではないかとも分析されています。
外交は難航、ネットではさまざまな意見が噴出
事態の沈静化に向け、日本側は外務省幹部(金井アジア大洋州局長)を北京に派遣し、中国側と協議を行いました。しかし、中国側は高市総理の答弁の撤回を改めて要求し、「当然満足していない」と述べるなど、協議は難航しています。
日本側は、高市総理の答弁は従来の政府の立場を変えるものではないとして、撤回を拒否している状況です。
ネットの反応をチェック!
この騒動について、日本のネット上ではさまざま意見が飛び交っています。
5ちゃんねるでは、中国が騒げば騒ぐほど、高市総理の支持が上がるとの見方があり 、中国の対抗措置は単なる「過剰反応」であり、いずれすぐに元に戻るだろうという楽観的な意見も目立ちました。また、中国の措置は「ダメージ負わないところで必死で制裁しているアピール」に過ぎないという声もあります 。
Yahoo!コメントでは、中国政府の呼びかけは国民を印象操作しようとしている「いつもの手」だと警戒する意見が挙げられました。多くのコメントが、日本は中国に対し毅然とした態度を貫くべきだと主張し、「チャイナリスク」に気づく良い機会だと捉えています。
また、中国人観光客が減ることで、オーバーツーリズムが解消され、ホテルや新幹線の予約がとりやすくなるなど、国内の環境が良くなるというプラスの側面を指摘する声も多く見られました。
総じて、ネット上では中国政府の行動を批判的に捉え、日本は弱腰を見せてはならないという点で意見は一致しています。特にYahoo!コメントでは、観光面でのメリットに注目し、冷静に状況を分析しようとする姿勢が目立ちました。
私たちが考えるべきこと
今回の出来事を見て、国際政治が、私たちにとっても身近な文化(アニメや演劇)や、旅行にまで影響を与えるのだと実感します。
中国から日本に来ている観光客の中には、「政治のことは政治家に任せましょう。一般市民の交流には関係ありません」とコメントしている人もいます。政治的な緊張が高まる中でも、一般市民同士の相互理解や交流は大切にしていきたいものです。
日本政府としては発言を撤回するつもりはないため、この問題はしばらく平行線が続くかもしれません。しかし、エンタメの公開延期や、留学を諦めてしまう学生がいる現状は、とても残念なことです。私たちも冷静な視点を持ちつつ、今後の日中関係の動きを注視していく必要があります。
今回は、高市総理の台湾発言に関する報道と、それに対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。
















