札幌市南区のゴルフ場で、シカ駆除のために雇われていたハンターが、許可なくヒグマ1頭を駆除したことが明らかになりました。ハンターは「緊急避難」として発砲したと主張していますが、法的な問題が議論されています。今回の出来事は、人と野生動物、そして法律との関わりについて、私たちにさまざま問いを投げかけているようです。
札幌ゴルフ場、クマ3日連続出没の末に…何が起こったのか
この事件は9月4日午前、札幌市南区にある「滝のカントリークラブ」というゴルフ場で発生しました。実は、このゴルフ場では事件が起こる前の3日間、連日ヒグマが出没しており、ゴルフを楽しんでいたお客さんたちは安全のためにハウス内へ避難していました。
そんな中、ゴルフ場はシカ駆除のために普段から契約しているハンターの男性に、コース内の巡回を依頼しました。男性が一人で巡回していると、約4~5メートルの距離で突然クマに遭遇。クマが自分に向かってきたため、身の危険を感じた男性は「緊急避難的な措置」として発砲し、クマ1頭を駆除しました。
許可なし駆除は「法律違反」の可能性?
問題となっているのは、このハンターがシカを駆除する許可は持っていたものの、クマを駆除する許可は持っていなかったという点です。また、一般的に有害鳥獣駆除を行うことが多い猟友会には所属していませんでした。
通常、クマを駆除するには、事前に都道府県などに申請して許可を得る必要があります。そのため、今回の駆除は「鳥獣保護管理法」に違反する可能性があるとして、現在、北海道や札幌市、そして警察が詳しい状況を調べています。
弁護士の中村憲昭さんは、人命に関わる「緊急避難」として違法な行為が許されることはありますが、その条件は非常に厳しいと話しています。特に、今回のケースでは、クマの出没が事前に確認されていて、クマの見回りに出たという状況だったため、「全く予期せずクマに出会った」という「緊急避難」の要件を満たさない可能性もあると指摘しています。
ゴルフ場の支配人は、ハンターから「怖い思いをして緊急で撃ってしまった」という報告を受け、「撃たなければ身を守れない状況だった」とハンターの行動を擁護する見解を示しています。
以前から議論されてきたクマ問題
実は、北海道では以前からヒグマによる人身被害が深刻で、累計で60人もの方が亡くなっています。特に山菜採り中に被害に遭うケースが多いとされています。
ヒグマの駆除については、自治体が許可を得て猟友会に依頼するのが一般的ですが、駆除が行われるたびに「クマを殺すな」といった抗議の電話が来るなど、クマとの共生を巡ってさまざま意見があるのが現状です。
ネットの反応は「人命優先」の声が多数!一方で法への疑問も
今回の事件に対し、ネット上では「4~5メートルの距離でクマが迫ってきたら、命を守るために撃つのは当然の正当防衛だ」という声が多く見られます。多くの人が「ハンターを責めるべきではない」「罰するなんてとんでもない」といった意見を寄せていますね。
また、「鳥獣保護管理法やクマ駆除に関するルールは、今の時代や現場の状況に合っていないのではないか」「法律が後手に回っている」という法律の見直しを求める声も目立ちます。一方で、専門家が指摘するように「クマがいると分かっていて見回りに出たなら、緊急避難の条件を満たさないのでは?」と、法律の厳密な解釈を求める声も一部にはあります。
意見の違いとしては、「目の前の命の危機には法律よりも人命優先」と考える声が圧倒的に多い一方で、「法律は法律として、その要件を厳しく適用すべきだ」という冷静な意見も存在しています。
法律と命、どちらを優先すべき?
今回の札幌のゴルフ場でのヒグマ駆除問題は、私たちに「もし自分の身に危険が迫った時、どう行動すべきか」「法律と現実のギャップをどう考えるか」といった、さまざま問いを投げかけています。
自然豊かな北海道で、人間とヒグマがどう共存していくのか、また、急迫した状況では命を守る判断を優先すべきとは思うものの、法律をどう扱うのがよいか考えさせられますね。
今回は、ヒグマ駆除に関する報道と、それに対するネット上の声をまとめました。皆さんはどのように感じましたか。よかったらコメントをお願いします。
















