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その「しつけ」はもう古い?相模原・こども園虐待事件から学ぶ、50代が知っておきたい現代の常識

かつての当たり前が、今はなぜ許されないのか。大切な家族との関係を守るためにも、今知っておきたい「現代のしつけと虐待の境界線」について深掘りします。

1.【ニュース概要】園児への長時間正座とバケツの強要

相模原市内の私立認定こども園において、当時の園長(現在は辞任)が男児に対し、約2時間にわたる正座を強要し、さらに両手にバケツを持たせて立たせていたことが明らかになりました。

この事案は、2024年から2025年にかけて発生したといいます。園側から保護者への連絡はなく、父親は他の保護者からの話で事実を知ったとのことでした。

市の調査に対し、他の教職員らも事実を認めたため、市と神奈川県はこの行為を「虐待」と認定し、園に対して改善勧告を行いました。園長は2026年3月末で理事長兼園長の職を辞任していますが、保護者からは「完全に身を引いてほしい」と厳しい批判の声が上がっています。

2.【なぜ起きた?】密室での指導と「古い価値観」の残存

男児に長時間正座強要 相模原の認定こども園で虐待、市が改善勧告
 相模原市内の私立の幼稚園型認定こども園で2024、25年、当時園長だった男性が男児1人に対して長時間正座させ、両手にバケツを持たせて立たせたとして…
(出典:毎日新聞)
今回の出来事が起きた直接のきっかけは、園児同士のいさかいといいます。それに対し、当時の園長は「教育的指導」のつもりで職員室での正座やバケツという手段を選んだと考えられます。

要因の一つとして指摘されているのが、園の閉鎖的な運営体制です。専門家の意見や読者のコメントでは、幼稚園や保育園は小規模な事業体が多く、特に園長職が世襲制である場合、現場経験の乏しい人物が絶対的な権力を持ってしまうリスクが指摘されています。

また「悪いことをしたら体で覚えさせる」という昭和的な指導観が、アップデートされないまま管理職の意識に残っていたことが、現代の基準では許されない「2時間もの正座」という行き過ぎた行為を招いたと考えられています。

3. 変化する「しつけ」の定義と子どもの権利

今回この記事が問題として挙がった背景には、社会全体で「子どもの権利」への意識が高まり、身体的な苦痛を伴う指導を一切認めないという厳格なルールが浸透してきたことがあると感じました。

過去にも当サイトで正座1分で不適切な指導と話題になったニュースを取り上げており、自分たちの子どものころとは違う、と時代の変化を実感します。

今回の件に関して「体罰や虐待は子どもの心も脳も傷つける深刻な加害行為」であると断言する専門家もいました。その一方で、かつて私たちが子どもの頃に受けた「立たされる」「正座させられる」といった経験を「あれで教育された」と肯定的に捉える声もありますが、現代ではそれは「身体的苦痛」を伴う不適切な行為とみなされていることは知っておく必要があります。

その一方で、保育現場の過酷さも無視できません。SNS上の意見では「預かるのが大変な子がいるのも事実」という声もあり、現場の教職員が疲弊する中で、適切な指導の限界を超えてしまうケースも背景にあるようです。
ただ、たとえ指導が困難であっても、それを「見せしめ」や「ストレスの発散」に変えてしまうことは、教育ではなく単なる暴力でだと肝に銘じる必要があります。

4. 50代の私たちが気をつけたい「世代間の溝」

このニュースは、50代の私たちにとっても注意が必要です。

「良かれと思って」のアドバイスが裏目に出る
「昔はこれくらい当たり前だった」「叩かれて強くなった」といった経験談を子育て世代に話すと、今の基準では「虐待を容認している」と受け取られ、家族間の信頼関係を損なう恐れがあります。現代の基準では、1分でも身体を拘束すれば問題になり得ること、そしてそれは「時代の変化」であることを理解しておく必要があります。

施設選びの視点が変わる
もしこれから園に通うという身近な人の園選びに関わるなら、園の透明性(監視カメラの有無や、トラブル時の報告体制)をチェックすることが重要です。今回のケースでは「他の親からの伝聞」で発覚したように、園が事実をわざわざ開示しない=隠ぺいするリスクがあることも、私たち世代は気に留めておいても良いかもしれません。

5.【今後どうなる?】透明化と指導の「システム化」

今後は、保育・教育現場の「透明化」がさらに進むと考えられます。防犯カメラの設置は、虐待の抑止だけでなく、不当なクレームから職員を守るための手段としても導入が進むかもしれません。

また、単に「体罰を禁止する」だけでなく、手に負えない状況になった際の「預かり拒否権」や、専門機関との連携といった「組織としての対応」が議論されるようになるのではないでしょうか。

個人の先生の忍耐に頼るのではなく、ルールに基づいて冷静に対処するシステム作りが、これからの教育現場のスタンダードになっていくのではないかと感じます。

6.【まとめ】常識のアップデートが家族を守る

今回の相模原市の事件は、私たち50代が過ごしてきた「当たり前」が、今では通用しないことを改めて突きつけています。

「2時間の正座」や「バケツ」は、決して許されない虐待です。これは、保育園・幼稚園などの初等教育現場だけに限ったことではありません。私たちは「昔はこれで成長できたのに」と感傷に浸るのではなく、今の子どもたちが受けている教育やその権利を正しく理解し、温かく見守る必要があります。

また、自分のことをうまく表現できない子どもに対しても、嫌なことがあったら話してもらえる関係を作り、それが不当な対応なのかどうか冷静に判断できる大人でありたいものです。

新しい常識を学び続けることこそが、大切な家族や地域の子どもたちを健やかに育む第一歩になると感じました。

みなさんはどのように感じましたか。是非感想を聞かせてください。

おまけ

ここで余談ですが、懐かしい書籍を思い出しました。

「おしいれのぼうけん」

覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。子どもを押し入れに閉じ込めるなんて、今では虐待と問題になるのでしょうか。それでも、昭和を懐かしむ良い本です。読み聞かせなどをして、今の時代とのギャップ、もしこのような状況になった場合、おうちの人に相談していいんだよ、と話すきっかけにしてみてもいいかもしれませんね。

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